「今の仕事を辞めたいけれど、転職先が決まる前に退職しても大丈夫だろうか」と悩む人は少なくありません。転職活動は在職中に進める方法と、退職後に集中する方法のどちらにもメリットと注意点があります。
- 転職活動を在職中に始める場合と退職後に始める場合の違い
- 生活費・面接日程・退職後手続き・失業給付を踏まえた判断基準
- 自分の状況に合わせて無理なく転職活動を始める進め方
こんな方におすすめの記事です
- 今の仕事を辞めたいが、退職してから転職活動してよいか迷っている方
- 在職中の面接日程調整が難しく、退職後に集中したいと考えている方
- 退職後の生活費や失業給付、健康保険・年金の手続きが不安な方
本記事では、転職活動は在職中と退職後どちらがよいのかを、生活費・面接日程・退職後手続き・失業給付の観点からわかりやすく解説します。(専門知識は不要です!)
注:失業給付や健康保険・年金の手続きは、退職理由や加入状況、制度変更によって扱いが変わる場合があります。実際に手続きする際は、ハローワークや自治体、年金事務所などの公式情報もあわせて確認してください。
転職活動は在職中と退職後どっちがいい?まず結論
生活面のリスクを抑えたいなら、基本的には在職中に転職活動を始める方が現実的です。収入がある状態で求人を比較できるため、焦って条件に合わない転職先を選ぶリスクを減らしやすいからです。
ただし、在職中に動くのが絶対の正解ではありません。心身の不調が強い場合、長時間労働で面接日程をまったく調整できない場合、今の職場にいることで状態が悪化している場合は、退職後に体調や生活を立て直してから転職活動を進める選択もあります。
在職中に始める場合
向いている人: 生活費の不安を抑えながら、条件に合う求人をじっくり探したい人。
注意点: 面接日程の調整や、職場に知られない進め方に工夫が必要です。
退職後に始める場合
向いている人: 心身を立て直したい人、まとまった時間を使って応募準備や面接対策をしたい人。
注意点: 収入が止まるため、生活費・社会保険・失業給付の確認が欠かせません。
つまり、「在職中か退職後か」は、どちらが正しいかではなく、自分の生活費・勤務状況・体調・選考スケジュールに合うかで判断するのが大切です。
生活面のリスクを抑えるなら在職中に始めるのが基本
在職中に転職活動を始める最大のメリットは、給与を受け取りながら次の仕事を探せることです。収入がある状態なら、応募先を比較する余裕が生まれやすく、内定が出たときにも「本当にこの条件でよいか」を冷静に考えやすくなります。
特に、家賃や住宅ローン、家族の生活費、車の維持費など固定費が大きい人は、収入が止まる影響を軽く見ない方がよいでしょう。転職活動が予定より長引くこともあるため、生活費の余裕は重要な判断材料です。
心身の不調がある場合は退職後に立て直す選択もある
一方で、心身の不調が強い状態で無理に在職しながら転職活動を続けると、応募書類の作成や面接準備に集中できないことがあります。睡眠不足や強いストレスが続いている場合は、転職活動そのものよりも、休養や相談を優先した方がよいケースもあります。
体調に不安がある場合は、退職だけで判断せず、休職制度、社内相談窓口、医療機関、公的な相談先なども含めて選択肢を整理しましょう。
⚠️ 体調不良がある場合は無理に転職活動を進めない
「転職先を決めてから辞めなければ」と考えすぎると、心身の状態を悪化させることがあります。眠れない、出勤前に強い不調が出る、仕事以外の日常生活にも影響が出ている場合は、転職活動より先に休養や相談を優先してください。
この記事では「正解」ではなく「判断基準」を整理する
在職中に動くべきか、退職後に動くべきかは、人によって答えが変わります。貯蓄が十分にある人と、毎月の固定費が大きい人では、退職後に取れるリスクが違います。職場が有給を取りやすいか、オンライン面接に対応できるかによっても判断は変わります。
そのため、本記事では単にメリット・デメリットを並べるのではなく、生活費、面接日程、退職後手続き、失業給付、心身の状態という実際の判断材料に分けて解説します。
在職中に転職活動するメリット・注意点
在職中の転職活動は、生活面の安定を保ちながら次の職場を探せる点が大きなメリットです。ただし、仕事を続けながら応募書類の作成や面接対応を行うため、時間の使い方には工夫が必要です。
収入を維持しながら求人を選べる
在職中であれば、毎月の給与を得ながら転職活動を進められます。転職活動が長引いたとしても、すぐに生活費が不足するリスクを抑えやすい点は大きな安心材料です。
また、現職を続けている状態なら、希望条件に合わない求人を無理に選ぶ必要がありません。年収、勤務地、勤務時間、休日、仕事内容などを比較しながら、自分に合う求人を待ちやすくなります。
「今すぐ辞めたい」という気持ちが強いと、早く内定を得ること自体が目的になりがちです。しかし、転職は入社後の働き方に直結します。収入がある状態で活動できることは、冷静な判断を支える土台になります。
面接日程の調整が一番のハードルになる
在職中の転職活動で悩みやすいのが、面接日程の調整です。企業の面接は平日の日中に行われることも多く、勤務時間と重なる場合があります。
調整方法としては、有給休暇、半休、始業前・終業後、昼休み、オンライン面接などがあります。ただし、すべての企業が夜間や休日の面接に対応しているわけではないため、応募先との早めの調整が大切です。
在職中の面接日程を調整する前に確認したいこと
- 有給休暇や半休を取りやすい職場か
- オンライン面接に対応してもらえる可能性があるか
- 繁忙期や締切前など、休みにくい時期と重ならないか
- 勤務先のパソコンやメールで転職活動をしていないか
- 退職を伝える前に、内定条件を確認できるスケジュールか
在職中は、職場に知られない配慮も必要です。会社のメールアドレスや業務用チャット、会社支給の端末を転職活動に使うのは避けましょう。応募先との連絡は個人のメールアドレスやスマートフォンで管理するのが基本です。
現職に残る選択肢があるため、条件交渉や見送りもしやすい
在職中に活動している場合、内定が出てもすぐに承諾する必要はありません。現職に残る選択肢があるため、給与や仕事内容、勤務条件を比較したうえで判断できます。
一方で、在職中の転職活動は長期化しやすい面もあります。仕事が忙しいと応募書類の作成が後回しになり、面接調整も進みにくくなります。だらだら続けないためには、「今月中に職務経歴書を完成させる」「まず3社応募する」など、小さな期限を決めると動きやすくなります。
退職後に転職活動するメリット・注意点
退職後の転職活動は、時間を確保しやすく、応募準備や面接対策に集中しやすい方法です。ただし、収入が止まるため、生活費と手続きの準備が不十分なまま退職すると、焦って転職先を決めてしまう原因になります。
応募準備や面接対策に時間を使いやすい
退職後は、職務経歴書の作成、求人検索、企業研究、面接練習にまとまった時間を使いやすくなります。平日の日中に面接を入れやすくなるため、複数社の選考を同時に進めたい人にとっては動きやすい面があります。
また、現職の疲れやストレスから離れることで、自分の希望条件を見直しやすくなる人もいます。「なぜ転職したいのか」「次の職場で何を避けたいのか」「どんな働き方をしたいのか」を整理する時間を取れるのは、退職後に動くメリットです。
退職後だから必ず不利とは限らないが、空白期間の説明は必要
退職後に転職活動をしたからといって、必ず不利になるわけではありません。退職理由が整理されており、転職活動の目的が明確であれば、退職後の活動でも十分に選考へ進めます。
ただし、退職後の期間が長くなる場合は、面接で「退職後は何をしていましたか」「なぜ先に退職したのですか」と聞かれる可能性があります。そのときに、休養、資格学習、応募準備、家族事情などを落ち着いて説明できるようにしておくことが大切です。
面接で聞かれやすい退職理由や回答例は、転職面接で聞かれる質問TOP20と回答例も参考になります。
収入が止まることで焦りが出やすい
退職後の転職活動で一番注意したいのは、収入が止まることです。生活費に余裕がない状態で活動すると、希望条件に合わない求人でも「早く決めなければ」と感じやすくなります。
焦って転職先を決めると、入社後に「思っていた仕事内容と違った」「前職と同じ悩みが続いている」と感じる可能性もあります。退職後に活動する場合は、生活費の上限と活動期間の目安を事前に決めておきましょう。
在職中か退職後かを決める5つの判断基準
ここからは、実際にどちらを選ぶべきかを判断するための基準を整理します。迷ったときは、気持ちだけで決めず、生活費・面接調整・心身の状態・退職後手続き・失業給付の5つを確認してください。
| 判断項目 | 在職中に向いている状態 | 退職後も検討できる状態 |
|---|---|---|
| 生活費 | 貯蓄が少なく、毎月の固定費が大きい | 数か月分の生活費を確保できている |
| 面接日程 | 有給・半休・オンライン面接で調整できる | 勤務が忙しすぎて日程調整がほぼ不可能 |
| 心身の状態 | 働きながらでも応募準備を進められる | 休養や立て直しを優先した方がよい |
| 退職後手続き | 健康保険・年金・税金の準備がまだ不十分 | 退職後の手続きと費用を把握している |
| 失業給付 | 制度をまだ確認していない | 求職申込みや認定日の流れを理解している |
生活費は最低3〜6か月分を目安に確認する
退職後に転職活動するなら、生活費は最低でも3か月分、できれば6か月分を目安に確認しておくと安心です。ただし、これはあくまで目安であり、必要額は家賃、家族構成、ローン、地域、保険料などによって変わります。
生活費を考えるときは、食費や家賃だけでなく、住民税、国民年金、健康保険料、通信費、交通費、医療費なども含めて見積もりましょう。退職後は会社員時代と支払い方が変わる費用もあるため、手取り収入だけを基準に考えると不足しやすくなります。
面接日程を調整できる余地があるか確認する
在職中に転職活動できるかどうかは、面接日程を調整できるかに大きく左右されます。有給や半休が使える職場なら、在職中でも十分に進められる可能性があります。
一方で、慢性的な人手不足や長時間労働で休みを取るのが難しい場合、応募しても面接に進めないことがあります。その場合は、応募数を絞る、オンライン面接に対応している企業を優先する、繁忙期を避けるなど、現実的な進め方を考えましょう。
心身の状態と職場環境を冷静に見る
転職活動は、応募書類の作成、企業研究、面接準備、日程調整など、意外と気力を使います。心身が疲れ切っている状態では、希望条件を整理することも難しくなります。
「今の職場から離れたい」という気持ちが強いときほど、退職後の生活費や次の職場選びを冷静に考える時間が必要です。無理に在職中の転職活動を続けるのではなく、休養や相談を含めて安全に動ける方法を選びましょう。
在職中が向いている人・退職後が向いている人
- 在職中が向いている人: 生活費の不安を抑えたい、条件をじっくり比較したい、有給や半休で面接調整できる
- 退職後が向いている人: 心身の立て直しが必要、勤務状況が厳しく面接に行けない、生活費に一定の余裕がある
- 慎重に判断したい人: 貯蓄が少ない、家族を扶養している、失業給付や社会保険の手続きをまだ確認していない
退職後に動く場合に確認したい手続きと失業給付
退職後に転職活動をする場合は、応募や面接だけでなく、健康保険・年金・失業給付の確認も必要です。退職してから慌てないように、退職前から手続きの流れを把握しておきましょう。
退職後は健康保険・年金の切り替えが必要になる
会社を退職してすぐ次の勤務先の健康保険に加入しない場合、健康保険は主に「任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険の被扶養者」のいずれかを検討することになります。協会けんぽでも、退職後の健康保険についてこの3つの選択肢が案内されています。詳しくは協会けんぽの退職後の健康保険に関する案内を確認してください。
また、退職後すぐに厚生年金に加入する勤務先へ再就職しない場合、20歳以上60歳未満の人は国民年金への加入手続きが必要になることがあります。退職後の年金手続きは、日本年金機構の退職後の年金手続きガイドでも確認できます。
退職後の健康保険・年金・失業保険の全体像は、退職後の健康保険・年金・失業保険の手続きはこちらで詳しく確認できます。
失業給付は「求職活動をしている状態」が前提
雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付は、退職した人が無条件に受け取れるものではありません。ハローワークでは、就職しようとする意思と能力があり、積極的に求職活動をしているにもかかわらず職業に就けない状態を「失業の状態」としています。詳しくはハローワークインターネットサービスの基本手当についてを確認してください。
基本手当を受けるには、ハローワークでの求職申込み、離職票の提出、受給資格の決定、失業認定などの流れがあります。失業認定では、原則として求職活動の状況も確認されます。
つまり、失業給付を受けながら転職活動することはできますが、「働く意思がない」「すぐ働けない」状態では受給できない場合があります。体調不良などですぐに働けない場合は、ハローワークで延長手続きなどを確認しましょう。
自己都合退職の給付制限は2025年4月以降のルールを確認する
自己都合退職の場合、基本手当には給付制限がかかることがあります。厚生労働省によると、退職日が2025年4月1日以降の場合、正当な理由のない自己都合退職の給付制限は原則1か月です。ただし、退職日からさかのぼって5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合や、重責解雇の場合は3か月とされています。詳しくは厚生労働省の給付制限に関する案内を確認してください。
また、2025年4月以降は、リスキリングのために教育訓練等を受ける場合、一定の条件で給付制限が解除される場合があります。制度の適用可否は個別の状況によって変わるため、退職前後にハローワークで確認しましょう。
自己都合退職の失業給付がいつから始まるかは、自己都合退職の失業給付がいつから始まるかはこちらで解説しています。
無理なく転職活動を始めるための進め方
在職中に動く場合も、退職後に動く場合も、最初から完璧に準備する必要はありません。大切なのは、今の自分が無理なくできる範囲で、次の一手を決めることです。
在職中に始めるなら、まず書類作成と求人比較から進める
在職中に転職活動を始めるなら、いきなり退職を伝えるのではなく、まずは職務経歴書の作成と求人比較から始めましょう。自分の経験、担当業務、得意なこと、避けたい働き方を整理すると、応募先を選びやすくなります。
- 希望条件を「譲れない条件」と「できれば満たしたい条件」に分ける
- 職務経歴書を作成し、これまでの経験を整理する
- 求人を比較し、応募したい業界・職種・条件を絞る
- 面接日程を調整できる時期に応募を始める
在職中は時間が限られるため、毎日長時間取り組む必要はありません。平日は求人確認だけ、休日に書類作成、面接は有給や半休で調整するなど、分けて進めると継続しやすくなります。
退職後に始めるなら、期限と生活費の上限を決める
退職後に転職活動をする場合は、「いつまでに何をするか」を先に決めておきましょう。時間がある分、動き出しが遅れることもあるため、活動期限を決めることが大切です。
たとえば、「1か月目は書類作成と応募準備」「2か月目から応募数を増やす」「生活費が一定額を下回ったら条件を見直す」など、自分なりの基準を作ります。
退職後は時間がある一方で、収入面の不安が大きくなりやすい時期です。活動期間と生活費の上限を決めておくことで、焦りすぎず、かつ先延ばしもしにくくなります。
面接対策と退職理由の準備を早めに進める
在職中でも退職後でも、面接で退職理由や転職理由を聞かれる可能性があります。特に退職後に転職活動している場合は、「なぜ先に退職したのか」「退職後は何をしていたのか」を説明できるようにしておきましょう。
退職理由は、前職への不満だけを並べるよりも、「次の職場で実現したいこと」「今後の働き方で大切にしたいこと」とつなげると伝わりやすくなります。
面接で聞かれやすい質問や回答例は、面接で聞かれやすい退職理由や回答例はこちらも参考になります。
よくある質問(FAQ)
退職後に転職活動すると不利ですか?
必ず不利とは限りません。ただし、退職後の期間が長くなる場合は、なぜ先に退職したのか、退職後に何をしていたのかを説明できるようにしておくことが大切です。
在職中の面接は有給を使ってもいいですか?
有給休暇を使って面接に行くこと自体は一般的な選択肢です。ただし、勤務先の申請ルールや業務調整には配慮しましょう。会社の端末やメールを転職活動に使うのは避けてください。
退職後の生活費は何か月分必要ですか?
最低でも3か月、できれば6か月分を目安に考えると安心です。家賃や食費だけでなく、健康保険料、国民年金、住民税、通信費、医療費なども含めて計算しましょう。
失業給付を受けながら転職活動できますか?
できます。基本手当は、働く意思と能力があり、求職活動をしている人を支える制度です。ただし、受給には求職申込み、失業認定、求職活動実績などの条件があります。詳しくはハローワークで確認してください。
心身が限界でも在職中に転職活動した方がいいですか?
無理に在職中の転職活動を続ける必要はありません。体調が崩れている場合は、休養、医療機関、社内外の相談窓口などを優先し、安全に動ける状態を整えることが大切です。
まとめ:転職活動は在職中と退職後どちらがよいか
この記事では、転職活動を在職中に進める場合と退職後に進める場合の違いを解説しました。
- 生活面のリスクを抑えやすいのは在職中の転職活動:収入がある状態で求人を比較できるため、焦って転職先を決めるリスクを減らしやすくなります。
有給や半休、オンライン面接などで日程調整できるなら、まず在職中に動き始めるのが現実的です。
- 退職後の転職活動は必ず不利ではない:退職後に時間を確保することで、応募準備や面接対策に集中しやすくなります。
ただし、生活費・空白期間の説明・社会保険や年金の手続きを事前に確認しておく必要があります。
- 失業給付や退職後手続きは公式情報で確認する:自己都合退職の給付制限や求職活動実績、健康保険・年金の扱いは、退職理由や加入状況によって変わる場合があります。
退職前後に、ハローワーク、自治体、日本年金機構、健康保険の窓口などで確認しておくと安心です。
- 心身の不調がある場合は安全を優先する:在職中に転職活動するのが基本とはいえ、体調を崩している場合は無理をしないことが大切です。
休養や相談を含めて、自分が安全に動ける方法を選びましょう。
転職活動は、在職中か退職後かだけで成功が決まるものではありません。大切なのは、生活費、面接日程、体調、制度面の準備を確認し、自分に合った順番で動くことです。
まずは、今の貯蓄と固定費を書き出し、在職中に面接調整できる余地があるかを確認してみましょう。そこまで整理できれば、次の行動をかなり決めやすくなります。
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