介護職の給料は2026年にどこまで上がる?月1.9万円賃上げの確定情報

介護職の給料は2026年にどこまで上がる?月1.9万円賃上げの確定情報

2026年の介護賃上げは、ニュースの見出しだけを見ると「月1.9万円アップ」で終わってしまいがちです。ですが実際は、令和7年度補正予算による緊急支援と、2026年6月からの介護報酬臨時改定を分けて理解しないと、自分の給料がどう変わるのかは見えてきません。

  • 令和7年度補正予算による緊急支援と、2026年6月の臨時改定の違いがわかる
  • 介護職・訪問看護師・ケアマネ・訪問リハで、賃上げの見方がどう変わるか整理できる
  • 給料が十分に上がらない職場を、給与明細や求人票で見分けるポイントがわかる

こんな方におすすめの記事です

  • 介護職として働いていて、2026年の賃上げが自分にどう反映されるか知りたい方
  • 訪問看護・ケアマネ・訪問リハで、対象拡大の影響を確認したい方
  • 今の勤務先で上がり幅が弱い場合、転職も含めて判断したい方

本記事では、介護職の給料は2026年にどこまで上がるのかについて、補正予算の緊急支援と臨時改定の違い、対象拡大、上位加算の要件、給与明細の確認ポイントまでわかりやすく解説します。(専門知識は不要です!)

注:「月1.9万円アップ」は誰でも一律でもらえる金額ではありません。事業所の加算取得状況や配分方法、定期昇給分を含む前提があるため、勤務先や応募先での確認が欠かせません。


💡 今回の賃上げは「一時金1回」ではなく「土台を少しずつ持ち上げる工事」に近い

2026年の介護賃上げは、臨時ボーナスが1回だけ出る話ではありません。たとえば床を一段高くする工事のように、緊急支援で先に押し上げ、その後に6月の介護報酬改定で仕組み自体を広げていく流れです。そのため、「ニュースで見た額」と「自分の毎月の給料明細」がズレることがあっても不思議ではありません。

2026年の介護賃上げは2段階で進みます

結論として、2026年の介護賃上げは「緊急支援」と「6月改定」の2段階で進みます。

まず押さえたいのは、2026年の介護賃上げは1回の制度変更ではなく、2段階で進むことです。前半は令和7年度補正予算による緊急支援、後半は2026年6月からの介護報酬臨時改定です。ここを混同すると、「もう上がったはず」「6月から急に1.9万円増えるはず」といった誤解につながりやすくなります。

令和7年度補正予算による緊急支援

賃上げと職場環境改善を急いで進めるための支援です。制度改定の前に、現場へ先に資金を届ける位置づけです。

2026年6月の臨時改定

介護報酬そのものを見直す仕組みです。改定率は+2.03%で、処遇改善の対象拡大や上位加算の新設が盛り込まれています。

緊急支援については、厚生労働省の令和7年度補正予算案の概要(老健局関係)で、介護従事者に幅広く賃上げ支援を行い、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員には上乗せ支援を行うと整理されています。さらに、実施要綱では、基準月は令和7年12月で、原則その報酬額から6月分の補助額を算出すると示されています。

一方、6月からの臨時改定は、厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」で、改定率が+2.03%、介護従事者を対象に月1.0万円(3.3%)の賃上げ、さらに生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員に月0.7万円(2.4%)の上乗せを実施し、定期昇給0.2万円を含めて最大月1.9万円(6.3%)と整理されています。

つまり、記事タイトルやニュース見出しで出てくる「月1.9万円」は、介護職全員が6月から一律でもらえる固定額ではありません。制度上の上限イメージであり、補助事業の対象、処遇改善加算の取得区分、職場内の配分方針、雇用形態によって実際の反映額は変わります。

⚠️ 「制度上の賃上げ額」と「毎月の手取り増」は同じではありません

賃金改善は、基本給・手当・賞与などに配分できます。社会保険料や税金の影響もあるため、「制度上は上がっているのに、手取りでは想像より増えていない」と感じることがあります。求人票や面接では、基本給に反映されるのか、処遇改善手当として出るのかまで確認するのが安全です。

自分の給料はどこまで上がる?職種別・働き方別の見方

介護職は上がり幅の中心ですが、実際の受け取り方は職種と事業所の配分で変わります。

ここからは、「自分はいくら上がるのか」を現実的に考えます。結論からいうと、介護職は上がり幅の中心にいますが、訪問看護師・ケアマネ・訪問リハは対象拡大の恩恵がある一方、配分のされ方は事業所ごとの差が大きいです。

制度上は、処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善を、基本給・手当・賞与などに配分できます。つまり、「基本給アップしか認められない」わけでも、「介護職以外は完全に対象外」でもありません。逆にいえば、求人票に月額アップの数字だけが書かれていても、どの項目に反映されるのかを見ないと実態はわかりません。

介護職員については、制度上は月1.0万円が基本ラインで、上位区分まで取得する事業所では月0.7万円の上乗せも視野に入ります。そこに定期昇給0.2万円が重なると、最大で月1.9万円という整理です。ただし、ここには事業所の生産性向上や協働化の取組が前提になります。

また、同じ「対象」でもサービス種別によって見え方は変わります。新たに加算が設けられた訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援では、これまで処遇改善の外側に置かれていた分、制度変更のインパクトを感じやすい一方、既存の介護サービスでは取得区分の違いが反映額の差になりやすい構造です。

パート・非常勤・短時間勤務でも、勤務先の配分方針によっては対象になります。ただし、常勤と同じ金額で考えないほうが現実的です。勤務時間、契約条件、手当の付け方で差が出るため、面接や契約更新時に「処遇改善分は月給・時給・手当のどこに反映されるのか」を確認しておくとズレが少なくなります。

訪問看護・訪問リハ・ケアマネも対象?2026年の対象拡大を整理

対象は広がりましたが、個人の受取額は事業所ごとの配分方針で変わります。

今回の改定で大きいのは、処遇改善加算の対象が「介護職員中心」から、より広い介護従事者へ広がったことです。改定概要では、これまで対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援等に新たに処遇改善加算を設けると示されています。

また、厚生労働省のQ&A(第1版)では、事業所内の配分対象には介護職員以外の全職種が含まれ、看護師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、介護支援専門員、事務職等も想定されると整理されています。

加算率は、改定概要で訪問看護1.8%訪問リハビリテーション1.5%居宅介護支援・介護予防支援2.1%と整理されています。ここは「対象かどうか」を判断するうえで非常に重要です。介護施設だけでなく、在宅系サービスも処遇改善の議論に入ってきたと考えるとわかりやすいでしょう。

ただし、ここでも注意したいのは、対象拡大と個人の受取額は同じ意味ではないことです。サービスが加算対象になっても、全員が同額アップするわけではありません。勤務先がどの加算区分を取っているか、どの職種にどう配分するかによって、実際の差は大きくなります。

現在地の参考として、令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要では、処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴ取得事業所の月給・常勤における平均給与額は、介護職員が33万8,200円、看護職員が38万4,620円、介護支援専門員が37万5,410円でした。これは「今の平均」であって2026年の確定給与ではありませんが、現時点の賃金水準と、今回の改定がどの層に影響しそうかを考える材料にはなります。

訪問看護の働き方自体を比較したい方は、訪問看護師の仕事内容と働き方もあわせて確認しておくと、賃上げだけでなく働き方の相性まで見やすくなります。また、医療側の改定との違いが気になる場合は、看護師の給料が2026年にどう変わるかも比較材料になります。

上位加算を左右する要件とは?ICT・連携システム・生産性向上をやさしく整理

上位加算は、単にICT機器があるかではなく、要件に沿って加入・取得・報告できるかが鍵です。

「うちの職場も上位加算が取れそうなのか」を見るうえで重要なのが、令和8年度特例要件です。難しく見えますが、要点はシンプルで、生産性向上や協働化の取組を進めている事業所ほど、上位区分に乗りやすい設計になっています。

厚生労働省の改定ページと改定概要では、令和8年度特例要件として、次のいずれかを満たすことが示されています。

  1. 訪問・通所サービス等では、ケアプランデータ連携システム(ケアプラン情報を事業所間で共有する仕組み)に加入し、実績報告を行うこと
  2. 施設サービス等では、生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡを取得し、実績報告を行うこと
  3. 社会福祉連携推進法人に所属していること

今回の上位区分は、現行の加算Ⅰ・Ⅱに対して「Ⅰロ」「Ⅱロ」が新設された形です。求人票や面接で「上位区分を取っています」と言われたら、実際にどの区分なのかまで確認しておくと見極めやすくなります。

また、新たに対象となる訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等についても、加算Ⅳに準ずる要件または令和8年度特例要件で算定可能とされており、申請時点では令和8年度中の対応を誓約すればよいという配慮措置があります。つまり、「今すぐ全部完了していないと無理」ではなく、対応を進める前提で取りにいける設計です。

ここで注意したいのは、「ICTを少し入れているから大丈夫」とは言い切れないことです。大事なのは、機器を置いているかではなく、実際にどの要件に紐づく取組として運用しているかです。面接や職場見学では、単に「ICT化していますか」ではなく、「ケアプランデータ連携システムは使っていますか」「生産性向上推進体制加算は取得していますか」と聞いたほうが実態に近づけます。

給与明細と求人票で「上がる職場」を見分ける5つのポイント

基本給・手当・賞与・取得区分・反映時期の5点を見れば、取り切れているか判断しやすくなります。

制度が拡充しても、現場で働く人にとって大切なのは「自分の明細で確認できるか」です。ここでは、勤務先のまま確認する場合と、転職先を探す場合の両方で使えるポイントを整理します。

給与明細・求人票で確認したい5つのポイント

  • 基本給が上がっているのか、処遇改善手当として出ているのか
  • 賞与や一時金に反映される設計なのか
  • 処遇改善加算の取得区分が何か
  • 訪問・施設などサービス種別に合った上位要件を満たしているか
  • 説明が抽象的ではなく、賃金反映の時期や方法まで答えられるか

給与明細では、まず基本給処遇改善手当ベースアップ関連の項目賞与の変化を見ます。厚労省調査でも、介護職員の平均給与額の増加は、基本給だけでなく手当や一時金にも分かれて表れています。したがって、手当が増えていても「上がっていない」と早合点しないこと、逆に募集時の言い方だけで「大きく上がる」と決めつけないことが重要です。

求人票や面接では、次のように聞くと具体性が出ます。

  1. 現在、介護職員等処遇改善加算はどの区分を取得していますか
  2. 訪問看護・居宅介護支援など対象拡大分は、どの職種にどう配分する予定ですか
  3. 賃上げは基本給・手当・賞与のどこに反映しますか
  4. 上位加算のために、ケアプランデータ連携や生産性向上の取組は進んでいますか

ここで回答が曖昧なら、その職場は制度の恩恵を取り切れていない可能性があります。特に「今後検討します」「まだ何とも言えません」だけで終わる場合は、制度の存在を前向きに活かす体制が弱いかもしれません。

求人メディアの視点で見る、転職を考えるべき分岐点

今回の臨時改定が行われる背景には、厚労省自身が整理しているように、他産業との差がなお残り、人材不足が厳しいという事情があります。実際、厚労省は第9期介護保険事業計画に基づく推計として、2026年度には約240万人、2022年度比で約25万人増の介護職員が必要と公表しています。需要が強い一方で、勤務先ごとの差が広がりやすい局面ともいえます。

転職を考える分岐点としては、次のような状況が目安になります。

  • 制度改定の説明が現場にほとんど共有されていない
  • 処遇改善加算の取得区分や配分方法を聞いても答えが出てこない
  • 2026年夏以降も明細の変化が乏しく、見通しも示されない
  • 人手不足が強いのに、業務改善やICT活用の動きが見えない

こうした状況は、すぐ転職すべき決定打というより、職場を見直すか検討するサインの1つと考えるのが自然です。逆に、加算の区分、賃金反映の方法、上位要件への対応予定を具体的に説明できる事業所は、今後も賃上げを取りにいく姿勢があると判断しやすいです。

施設系に移るか迷っている看護師の方は、介護施設で働く看護師の仕事内容も確認しておくと、給与だけでなく仕事内容や負担感まで含めて比較しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

2026年の賃上げは全員が月1.9万円もらえるのですか?

いいえ。月1.9万円は制度上の最大イメージです。介護職員の月1.0万円、上位区分での月0.7万円、定期昇給0.2万円を含めた考え方であり、全員一律ではありません。

ケアマネや訪問看護師も対象ですか?

制度上は対象拡大されています。訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援等に新たに処遇改善加算が設けられていますが、個人への反映額は事業所ごとの配分方針で変わります。

パートや非常勤でも対象になる可能性はありますか?

あります。勤務先の配分方針や勤務時間によって異なりますが、雇用形態だけで一律に除外とは限りません。時給や手当への反映方法まで確認するのが大切です。

いつの給与明細を見れば反映を確認しやすいですか?

緊急支援による反映と、2026年6月の臨時改定による反映は分けて見るのが安全です。勤務先によって反映月がずれることもあるため、明細の項目名と時期をセットで確認してください。

上がらない場合はすぐ転職したほうがいいですか?

まずは勤務先の加算取得区分、配分方法、上位要件への対応予定を確認しましょう。そのうえで説明が曖昧で改善見込みが薄い場合は、転職を検討する判断は十分に現実的です。

まとめ:介護職の給料は2026年にどこまで上がる?

この記事では、2026年の介護賃上げについて解説しました。

  • 2026年の賃上げは2段階:令和7年度補正予算による緊急支援と、2026年6月からの臨時改定を分けて考える必要があります。

    「もう上がったはず」「6月から全員1.9万円増えるはず」と考えると、実態とズレやすくなります。

  • 月1.9万円は全員一律ではない:制度上の最大額であり、加算区分や配分方針で差が出ます。

    自分の給料を見るときは、基本給・手当・賞与のどこに反映されるかまで確認するのがポイントです。

  • 訪問看護・訪問リハ・ケアマネにも追い風:対象拡大で在宅系サービスにも処遇改善加算が広がっています。

    ただし、対象拡大と個人の受取額は別問題です。最終的には勤務先の説明と明細の確認が欠かせません。

2026年は、介護分野の給与が「上がるかどうか」よりも、「自分の職場が制度を取り切れているか」を見る年です。今の勤務先で説明が曖昧なら、求人票や面接で確認しながら、より条件のよい職場へ動く準備を始めても遅くありません。

関連職種も含めて比較したい場合は、訪問看護や介護施設看護の記事もあわせて確認し、自分に合う働き方を見極めていきましょう。

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