看護師の給料は2026年6月から上がる?診療報酬改定と明細の見方
2026年6月の診療報酬改定では、看護師の給料は上がる方向です。ただし、全員が同じ金額だけ一律に上がるわけではありません。実際にいつから、どの項目に反映されるかは、勤務先の届出状況や配分方針、給与締め日によって変わります。
- 2026年6月の診療報酬改定で、看護師の給料に関係する確定情報
- ベースアップ評価料の拡充内容と、病院・クリニックで差が出る理由
- 6月以降の給与明細で、賃上げが反映されたか確認するポイント
こんな方におすすめの記事です
- 2026年6月以降の給与明細を見て「本当に上がったのか」を確認したい看護師の方
- 自分の勤務先がベースアップ評価料の対象か、どの程度差が出るのか知りたい方
- 賃上げが弱かった場合に、今の職場に残るか転職するか判断したい方
本記事では、2026年6月の診療報酬改定で看護師の給料がどう変わるのかを、ベースアップ評価料の拡充内容、勤務先ごとの差、給与明細の見方まで含めてわかりやすく解説します。(専門知識は不要です!)
注:2026年6月改定は看護師の賃上げを後押しする内容ですが、診療報酬の増額がそのまま全員に同じ額で反映されるわけではありません。実際の上がり方は、勤務先の届出状況、施設類型、配分方針、夜勤体制、賞与設計などによって変わります。
⚠️ 先に結論
2026年6月改定で看護師の給料は「上がる方向」です。ただし、厚生労働省が示しているのは全国一律の個人増額ではなく、賃上げを後押しするための改定率、支援率、点数体系です。自分の給料がどれだけ変わるかは、勤務先ごとの届出と配分で差が出ます。
2026年6月改定で看護師の給料はどう変わる?
結論として、給料は上がる方向ですが、全国一律の増額ではなく勤務先ごとの差が大きい改定です。
まず押さえたいのは、今回の改定が「看護師の給料を上げる方向」で組まれていることです。厚生労働省の資料では、令和8年度診療報酬改定は診療報酬でプラス3.09%、2年度平均で令和8年度プラス2.41%、令和9年度プラス3.77%と整理されています。さらに、そのうち賃上げ分はプラス1.70%、物価対応分はプラス0.76%と明記されています。厚生労働省の改定資料では、令和8年度・令和9年度にそれぞれプラス3.2%のベースアップ実現を支援し、看護補助者・事務職員はプラス5.7%を支援すると示されています。
ここで大事なのは、「改定率が上がった」ことと「あなたの基本給が何円上がるか」は別だという点です。ニュースや二次情報では月額の目安が語られることもありますが、一次資料が示しているのは全国一律の個人増額ではなく、あくまで賃上げを支える制度設計です。そのため、記事を読む時も、給与明細を見る時も、まずは基本給や毎月の固定的な給与がどう動いたかを確認するのが現実的です。
確定していること
診療報酬の改定率、賃上げ分と物価対応分の内訳、ベースアップ評価料の拡充、継続的賃上げ実施施設の扱いは、厚生労働省と日本看護協会の資料で確認できます。
勤務先ごとに差が出ること
看護師個人の増額、基本給に入るのか手当に回るのか、いつ反映されるのかは、病院の届出状況や賃金配分方針によって変わります。
また、手取り額だけを見て判断するのは早計です。社会保険料や税額は人によって異なるため、同じ職場でも手取りの増え方は完全には一致しません。まずは額面、特に基本給や毎月決まって支払われる手当の増額があるかを見て、それから手取りの変化を確認する流れがおすすめです。
ベースアップ評価料の拡充で何が変わった?
ポイントは、ベースアップ評価料の対象、評価の段階、使い方が広がったことです。
今回の改定で、看護師の給料に最も関係が深いのがベースアップ評価料です。厚生労働省の特設ページでも、令和8年度改定におけるベースアップ評価料の変更点や届出スケジュールが整理されています。継続的に賃上げを実施している医療機関と、それ以外の医療機関で区別して評価される点も重要です。
外来・在宅側では、医科点数表(抜粋)で外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の初診時17点、再診時等4点が確認できます。さらに厚生労働省の賃上げ対応資料では、外来・在宅ベースアップ評価料全体について、令和8年度・令和9年度で段階的な評価とし、令和9年度は得られる額が倍になるよう設定すると示されています。
入院側も今回の見直しで重要度が上がりました。厚生労働省の賃上げ対応資料では、現行の入院ベースアップ評価料1〜165が、改定後は1〜250に拡大し、令和9年6月以降は500区分まで拡大すると示されています。病院勤務の看護師にとって、ここは見落とせないポイントです。
さらに、今回の改定では使途の見直しも行われました。厚生労働省の資料では、夜勤職員の確保の観点から、看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料による収入を夜勤手当の増額に用いることが可能とされています。つまり、勤務先によっては基本給だけでなく、夜勤関連の手当強化という形で反映される可能性もあります。ただし、読者目線では「夜勤手当が少し増えた」だけで満足せず、基本給や賞与算定のベースがどう変わったかまで見ることが大切です。
病院ごとに差が出るのはなぜ?
差が出る主な理由は、施設類型、算定区分、継続的賃上げの有無、配分方針が同じではないからです。
同じ「2026年6月改定の恩恵」といっても、病院ごとに差が出るのには理由があります。まず大きいのが、入院中心の病院なのか、外来中心の診療所なのか、訪問看護ステーションなのかという施設類型の違いです。厚生労働省の資料でも、賃上げ分や物価対応分は施設類型ごとの費用関係データに基づき配分すると説明されています。つまり、どこにどれだけ原資が入りやすいかは、最初から同じではありません。
そのため、病院勤務の看護師と、クリニック勤務の看護師、訪問看護の看護師では「上がる・上がらない」の単純比較ができません。一般に、入院医療の比重が高く、入院ベースアップ評価料の区分が高い病院ほど原資が厚くなりやすい一方で、外来中心の小規模施設は同じニュースを見ていても実感が弱いことがあります。病院とクリニックの違いをあらためて整理したい方は、病院とクリニックで働く違いも参考になります。
次に差が出るのが、「継続的な賃上げを実施している医療機関」に当てはまるかどうかです。日本看護協会の案内では、令和8年3月31日までにベースアップ評価料の届出を行った医療機関等、または令和6年3月時点と比べて5.5%(看護補助者・事務職員は8%)に相当する水準以上のベア等を行っていれば可と整理されています。ここでいうベア等は、ベースアップなど継続的な賃金改善を指します。
さらに、同じ病院でも配分方針で実感は大きく変わります。たとえば、基本給中心に配る職場なら、賞与や各種手当に波及しやすく、中長期では年収アップを実感しやすくなります。一方で、手当中心の配分だと目先の月収は増えても、賞与や退職金が基本給連動の制度では不利になる可能性があります。この違いは、給与明細と就業規則を見ないと分かりません。
給与明細のどこを見ればいい?
まず確認したいのは総支給額ではなく、基本給と毎月決まって支払われる項目が増えているかどうかです。
2026年6月以降の給与明細を確認する時は、まず「総支給額が少し増えたか」ではなく、何が増えたのかを見ることが重要です。もっとも優先順位が高いのは基本給です。厚生労働省の賃上げ対応資料でも、ベースアップ評価料で得られる収入は基本給等の引上げと、それに伴う賞与、時間外手当、法定福利費の増加分に充てることが想定されています。
- 基本給が前月より増えているか確認する
- 毎月決まって支払われる手当が変わっていないか確認する
- 夜勤手当・時間外手当・通勤手当など、変動しやすい項目の増減と切り分ける
- 定期昇給や昇格による増額ではないか、人事通知や給与改定通知で確認する
特に注意したいのが、定期昇給とベースアップは別物という点です。定期昇給は勤続年数や号俸の上昇に伴って予定どおり上がるもので、今回の診療報酬改定による賃上げとは区別して考える必要があります。前年も同じ月に昇給していたなら、それは制度改定とは別の増額である可能性が高いです。
⚠️ 「少し増えた」だけで安心しない
夜勤回数が増えた、残業が増えた、単月だけ変動手当が多かった、という理由でも総支給額は増えます。今回の改定の恩恵を確認したいなら、総額だけでなく、基本給や固定手当の変化、人事通知の文言までセットで確認してください。
夜勤手当については、今回の改定で増額に充てることも可能になりました。これは悪いことではありませんが、夜勤手当だけ増えて基本給が据え置きなら、評価は分けて考えるべきです。基本給が上がらないと、賞与や将来の賃金テーブルに反映されにくいケースがあるからです。
上がり方が弱い職場はどう見分ける?
院内説明の明確さ、反映時期、基本給への反映方法が見分けるポイントになります。
今回の改定を機に、職場の「賃上げへの本気度」は以前より見えやすくなっています。まず分かりやすいのは、院内説明の有無です。賃上げの原資がどう入るのか、いつから反映するのか、基本給に入れるのか、手当に回すのかについて、説明がある職場は比較的判断しやすいです。逆に、説明が曖昧で「そのうち反映されると思う」「うちはまだ未定」という返答が続く場合は、慎重に見たほうがよいでしょう。
職場で確認したい3つのチェックポイント
- 今回の賃上げは基本給に入るのか、それとも手当中心なのか
- 反映時期は6月支給分、7月支給分、賞与のどこなのか
- 看護師、看護補助者、事務職員など職種ごとの配分方針はどうなっているのか
加えて、6月からベースアップ評価料を算定するには、医療機関は5月中の届出が必要です。これは厚生労働省や日本看護協会の案内でも確認できます。もちろん、現場の看護師が直接届出書を見る機会は少ないですが、少なくとも管理職や事務部門が「算定するのか」「届出済みか」を把握しているかどうかは重要です。
転職も視野に入れる場合は、求人票や面接で確認するポイントも変わってきます。たとえば「ベースアップ評価料算定病院です」と書いてあるだけでは不十分で、基本給のレンジ、賞与の算定基礎、夜勤手当の水準、人員体制まで確認したほうが実態をつかみやすくなります。
賃上げが不十分なら転職はどう判断する?
6月支給分だけで即断せず、基本給の変化、説明内容、7月や賞与への反映を見てから判断するのが現実的です。
2026年6月改定は、今の職場を見直すきっかけにもなります。もし給与明細を見ても基本給がほぼ動かず、説明もなく、業務負担だけ増えているなら、今後の年収アップを今の職場だけに期待しすぎないほうがよいかもしれません。特に、採用難を理由に現場の負担が大きいのに賃上げ配分が弱い職場は、長く働くほど納得感を失いやすい傾向があります。
一方で、6月支給分だけで即断するのも早いです。給与締め日や就業規則の改定タイミングによっては、7月支給分や夏賞与から反映されるケースもあります。説明があり、反映時期が明示されているなら、少し待って比較するほうが冷静に判断できます。転職の動き方に迷うなら、看護師の転職タイミングもあわせて確認してみてください。
そのうえで、転職先を比べる時は「月給が高いか」だけでなく、次の4点を見るのがおすすめです。
- 基本給が高いか
- 夜勤回数と夜勤手当のバランスが適切か
- 賞与の算定基礎が基本給連動か
- 人員体制や業務負担が年収に見合うか
制度改定の直後は、求人票や募集条件が更新されるタイミングでもあります。今の職場の反映を確認したうえで、他院の条件も比較したい方は、看護師転職の流れも見ておくと、情報収集から応募までの流れを整理しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
2026年6月にすぐ給料が上がらないと対象外ですか?
必ずしも対象外とは限りません。給与締め日や反映時期の違いで、6月支給分ではなく7月支給分や賞与で反映されることもあります。ただし、説明が全くなく、基本給も固定手当も動かない状態が続くなら、勤務先に確認したほうがよいでしょう。
看護師の給料は2026年6月からいつ反映されますか?
6月以降に反映される可能性がありますが、6月支給分から必ず全員に反映されるとは限りません。給与締め日、病院の届出状況、給与改定の時期によって、7月支給分や賞与、固定手当の見直しとして反映される場合もあります。確認する時は、基本給、固定手当、人事通知、院内説明をセットで見るのがおすすめです。
クリニック勤務の看護師も給料は上がりますか?
上がる可能性はありますが、病院と同じ上がり方になるとは限りません。今回の改定では、施設類型ごとに原資の入り方が異なるため、入院中心の病院より実感が弱いケースもあります。自分の勤務先がどの評価料を算定しているかを確認することが大切です。
定期昇給があっただけでも、今回の賃上げと考えていいですか?
いいえ、同じとは限りません。定期昇給は勤続年数や号俸の上昇によるもので、2026年6月改定によるベースアップとは別です。今回の制度の影響を見たいなら、前月比だけでなく、例年の昇給月との違いや人事通知の内容も確認してください。
夜勤手当だけ増えていたら、賃上げと考えてよいですか?
一部は賃上げとして受け止めてよいものの、基本給の増額とは分けて考えるのがおすすめです。今回の改定では夜勤手当の増額に充てることも可能ですが、基本給が据え置きだと賞与や将来の賃金テーブルへの影響が弱いことがあります。
賃上げが弱いなら、いつ転職を考えるべきですか?
6月支給分だけで即断せず、7月支給分や賞与への反映、院内説明、基本給の変化を確認したうえで判断するのが現実的です。それでも基本給がほぼ動かず、説明も曖昧なら、他院の条件と比較しながら転職を検討する価値があります。
まとめ:看護師の給料は2026年6月から上がる?
この記事では、2026年6月の診療報酬改定と看護師の給料の関係について解説しました。
- 改定は賃上げを後押しする内容です:診療報酬の改定率に加え、ベースアップ評価料の拡充が行われています。
ただし、看護師全員が同じ額だけ上がる仕組みではなく、勤務先ごとの届出や配分方針で差が出ます。
- 病院差・施設差はかなり大きいです:入院中心の病院、外来中心の診療所、訪問看護ステーションでは原資構造が異なります。
継続的な賃上げを実施している施設かどうかでも、評価のされ方が変わります。
- 確認すべきはまず給与明細の基本給です:総支給額だけでなく、基本給、固定手当、定期昇給との違いを見てください。
夜勤手当だけが増えている場合は、基本給の増額と分けて評価するのが安全です。
2026年6月改定は、今の職場の賃上げ姿勢を見極める良いタイミングでもあります。まずは6月以降の給与明細と院内説明を確認し、そのうえで納得できない場合は、他院の条件と比較して判断してみてください。
制度改定の恩恵を正しく受け取れているかを確認することが、年収アップの第一歩になります。
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内訳
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 基本給 | 0万円 |
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| 残業代 | 0万円 |
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