求人票で「固定残業代あり」「みなし残業代含む」と書かれていると、「残業代が出ない求人なのでは?」と不安になる方もいるかもしれません。
- 求人票に書かれた固定残業代・みなし残業代の意味
- 応募前に確認したい基本給・時間数・金額・超過分支給の見方
- 面接や内定前に確認するときの質問例と注意点
こんな方におすすめの記事です
- 求人票の「固定残業代あり」という表記が気になっている方
- 固定残業代がある求人に応募してよいか迷っている方
- 面接や内定前に残業代の条件をどう確認すればよいか知りたい方
本記事では、求人票の固定残業代について、応募前に見るべきポイントをわかりやすく解説します。(法律の専門知識は不要です!)
注:この記事は、固定残業代に関する一般的な確認ポイントを整理したものです。個別の労働トラブルや法的判断が必要な場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどの公的窓口へ相談してください。
⚠️ 固定残業代=悪い求人とは限りません
固定残業代がある求人は、それだけで悪い求人とは判断できません。大切なのは、固定残業代を除いた基本給、何時間分・いくら分なのか、超過分が別途支給されるのかを確認することです。
求人票の固定残業代とは?まず仕組みを確認しよう
固定残業代とは、一定時間分の時間外労働、休日労働、深夜労働に対して、あらかじめ定額で支払われる割増賃金のことです。求人票では「固定残業代」「みなし残業代」「職務手当」「営業手当」など、名称が異なる形で書かれている場合もあります。
厚生労働省は、固定残業代を賃金に含める場合、募集要項や求人票などに適切な表示を行うよう案内しています。詳しくは厚生労働省の固定残業代に関する資料でも確認できます。
固定残業代は一定時間分の残業代をあらかじめ含める仕組み
たとえば、求人票に「月給25万円(固定残業代30時間分・5万円を含む)」と書かれている場合、その5万円が30時間分の残業代としてあらかじめ含まれている、という意味になります。
この場合、実際の残業が毎月必ず30時間あるとは限りません。制度上は、時間外労働の有無にかかわらず固定的に支給されるものとして扱われます。
「残業代が出ない」という意味ではない
固定残業代と聞くと、「残業しても追加で支払われないのでは」と感じるかもしれません。しかし、固定残業時間を超えた時間外労働、休日労働、深夜労働については、追加で割増賃金を支払う旨が明示されているかを確認する必要があります。
つまり、固定残業代は「残業代なし」という意味ではありません。求人票では、超過分が別途支給されるかどうかを必ず確認しましょう。
名称が違っても固定残業代にあたる場合がある
注意したいのは、「固定残業代」という名前で書かれていないケースです。たとえば、「営業手当」「職務手当」「業務手当」などの中に、固定残業代にあたる部分が含まれている場合があります。
手当の名称だけで判断せず、その手当が何に対して支給されるのか、固定残業代にあたる金額はいくらなのかを確認することが大切です。
固定残業代ありの求人で必ず見る4つの項目
固定残業代がある求人では、月給の総額だけを見ると判断を誤りやすくなります。応募前に確認したいのは、次の4つです。
固定残業代あり求人の確認リスト
- 固定残業代を除いた基本給はいくらか
- 固定残業代はいくらか
- 何時間分の固定残業代なのか
- 固定残業時間を超えた分が別途支給されるか
固定残業代を除いた基本給はいくらか
求人票に「月給25万円」と書かれていても、そのすべてが基本給とは限りません。固定残業代が含まれている場合、基本給と固定残業代の内訳を見る必要があります。
たとえば、同じ月給25万円でも、基本給25万円の求人と、基本給20万円+固定残業代5万円の求人では、賃金の内訳が異なります。賞与や手当の計算に基本給が関係する職場もあるため、月給総額だけで比較しないようにしましょう。
何時間分・いくら分の固定残業代なのか
固定残業代は、「何時間分なのか」と「いくら分なのか」をセットで見ることが重要です。
厚生労働省の資料でも、固定残業代を採用する場合は、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法、超過分を追加で支払う旨を明示することが示されています。
求人票に「固定残業代を含む」とだけ書かれていて、時間数や金額が分からない場合は、応募前または面接時に確認した方が安心です。
超過分が別途支給されるか
固定残業代ありの求人で特に重要なのが、固定残業時間を超えた分の扱いです。求人票や募集要項に「超過分は別途支給」と書かれているか確認しましょう。
時間外労働の割増賃金については、厚生労働省の割増賃金に関する資料でも基本的な考え方が示されています。細かな計算は求人ごとに異なるため、この記事では計算方法そのものよりも、求人票で確認すべきポイントに絞って解説しています。
求人票ではどこを見る?ハローワーク求人票の確認ポイント
ハローワーク求人票では、賃金欄の内訳や「固定残業代(c)」の項目を確認します。求人サイトでも、給与欄や待遇欄、備考欄に固定残業代の説明が書かれていることがあります。
ハローワークの求人票の見方では、「固定残業代(c)」について、時間外労働の有無にかかわらず固定的に支給されるものと説明されています。詳しくはハローワークの求人票の見方も参考になります。
「固定残業代(c)」と賃金欄を確認する
求人票を見るときは、まず月給の総額だけでなく、賃金欄の内訳を確認しましょう。固定残業代がある場合は、固定残業代の金額や、それに相当する時間数が書かれているかを見ます。
ハローワークで求人を探す場合は、求人票の保存や比較も重要です。ハローワークの使い方を確認したい方は、ハローワーク求職者マイページの使い方も確認すると、求人情報を整理しやすくなります。
「求人に関する特記事項」に補足がないか見る
固定残業代の説明は、給与欄だけでなく「求人に関する特記事項」や備考欄に書かれている場合があります。
たとえば、「固定残業代は時間外労働の有無にかかわらず支給」「○時間を超える時間外労働は追加支給」など、重要な補足が別欄に記載されていることがあります。給与欄だけを見て判断せず、求人票全体を確認しましょう。
内定前は労働条件通知書でも確認する
求人票は応募時の重要な情報ですが、最終的な労働条件は、内定前後に提示される労働条件通知書などでも確認する必要があります。
2024年4月からは、募集時などに明示すべき労働条件として、業務や就業場所の変更の範囲、有期労働契約の更新基準なども追加されています。詳しくは厚生労働省の労働条件明示に関する案内を確認できます。
固定残業代だけでなく、働く場所、仕事内容、契約更新、勤務時間などもあわせて確認すると、入社後の認識違いを減らしやすくなります。
固定残業代ありの求人を判断する基準
固定残業代がある求人は、すぐに避けるべき求人とは限りません。大切なのは、条件が分かりやすく書かれているか、実際の働き方と大きなズレがないかを確認することです。
比較しやすい求人
基本給、固定残業代の金額、対象時間数、超過分支給の有無が明記されている求人です。条件を確認したうえで、他社求人と比較しやすくなります。
慎重に確認したい求人
「残業代込み」「詳細は面接で」など、固定残業代の内訳や超過分支給が分かりにくい求人です。応募前や面接時に確認しましょう。
すぐに避けなくてもよい求人の特徴
次のような求人は、固定残業代があっても冷静に比較しやすい求人です。
- 固定残業代を除いた基本給が明記されている
- 固定残業代の金額が明記されている
- 何時間分の固定残業代なのかが分かる
- 固定残業時間を超えた分は別途支給と書かれている
- 実際の平均残業時間や繁忙期の働き方を確認できる
固定残業代があるかどうかだけで判断するのではなく、条件が明確かどうかを見て判断しましょう。
慎重に確認したい表記例
次のような表記がある場合は、応募をやめると決めつける必要はありませんが、詳細を確認した方が安心です。
- 月給には残業代を含む
- 固定残業代込み
- 残業手当は給与に含む
- 詳細は面接時に説明
- 手当に時間外労働分を含むが、時間数や金額が書かれていない
これらの表記は、内訳が分かれば問題ない場合もあります。気になる求人ほど、基本給・固定残業代・時間数・超過分支給を確認しましょう。
実際の平均残業時間と固定残業時間を比べる
固定残業時間が20時間、30時間、40時間などと書かれている場合は、実際の平均残業時間と比べることも大切です。
たとえば、固定残業時間が30時間でも、実際の平均残業時間が10時間程度なのか、繁忙期には40時間を超えることがあるのかでは、働き方の印象が変わります。
求人票だけでは分からない場合は、面接で「月の平均残業時間」や「繁忙期の残業時間」を確認すると、入社後のギャップを減らしやすくなります。
面接・内定前に固定残業代を確認する質問例
固定残業代について質問することは、決して悪いことではありません。ただし、聞き方によって印象が変わることはあります。給与だけを強調するよりも、「入社後の働き方を具体的に知りたい」という姿勢で確認すると自然です。
面接で聞くなら「働き方を具体的に知りたい」と前置きする
面接では、いきなり「残業代はちゃんと出ますか?」と聞くよりも、次のように聞くと落ち着いた印象になります。
- 「入社後の働き方を具体的にイメージしたいのですが、月の平均残業時間はどのくらいでしょうか」
- 「求人票に固定残業代の記載がありますが、何時間分を想定したものか確認してもよろしいでしょうか」
- 「固定残業時間を超えた場合の扱いについて、労働条件上はどのようになっていますか」
中途採用の面接では、給与条件だけでなく、仕事内容や勤務条件の確認も重要です。応募前の準備を整理したい方は、中途採用の応募前に準備すべきことも参考にしてください。
固定残業時間・平均残業時間・超過分の質問例
固定残業代について確認するなら、次の3点をセットで聞くと整理しやすくなります。
- 固定残業代は何時間分なのか
- 実際の平均残業時間はどのくらいなのか
- 固定残業時間を超えた分はどのように支給されるのか
質問例としては、次のような表現が使いやすいです。
- 「固定残業代は月何時間分として設定されていますか」
- 「実際の平均残業時間は、固定残業時間と近い水準でしょうか」
- 「固定残業時間を超えた場合は、別途残業代が支給される認識でよろしいでしょうか」
- 「繁忙期と通常期で、残業時間にどのくらい差がありますか」
内定承諾前に確認すべき最終チェック
内定を受けたら、承諾前に労働条件通知書などの書面で条件を確認しましょう。口頭説明だけで判断すると、あとから認識違いが起きる可能性があります。
内定承諾前の最終チェック
- 基本給と固定残業代の内訳が分かる
- 固定残業代が何時間分か分かる
- 超過分の支給について確認できる
- 平均残業時間や繁忙期の働き方を確認できる
- 求人票と労働条件通知書の内容に大きなズレがない
不明点が残る場合は、承諾前に採用担当者へ確認しておくと安心です。
不明瞭な求人や入社後のトラブルが不安なときの相談先
求人票の内容が不明瞭な場合や、入社後に説明と違うと感じた場合は、ひとりで抱え込まず、情報を整理したうえで相談先を確認しましょう。
求人票と実際の条件が違うと感じたら記録を残す
求人票と実際の条件が違うと感じたときは、まず関係する資料を保存しておくことが大切です。
- 応募時に見た求人票や募集要項
- 面接時に説明された内容のメモ
- 内定通知書や労働条件通知書
- 給与明細
- 勤務時間や残業時間の記録
感覚だけで判断するよりも、書面や記録がある方が状況を整理しやすくなります。
労働条件の相談は総合労働相談コーナーなどを確認する
労働条件や賃金、募集・採用に関する不安がある場合は、公的な相談窓口を確認しましょう。
厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、労働条件、募集・採用、賃金などを含む労働問題について、労働者・事業主のどちらからでも無料で相談できると案内されています。
また、労働時間や休息ルールに関心がある方は、労働時間や休息ルールの現状も確認すると、固定残業代以外の働き方の見方も整理しやすくなります。
記事内では個別トラブルを断定しない
固定残業代の扱いは、求人票の記載、労働条件通知書、実際の勤務状況、給与明細などを合わせて確認する必要があります。
この記事では一般的な確認ポイントを紹介していますが、個別のトラブルについて「違法」「必ず請求できる」などと断定することはできません。気になる場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどの公的窓口へ相談してください。
よくある質問(FAQ)
固定残業代がある求人は避けた方がいいですか?
固定残業代があるだけで避ける必要はありません。基本給、固定残業代の金額、対象時間数、超過分支給の有無が明確かを確認して判断しましょう。
固定残業時間より少なく働いた月は固定残業代が減りますか?
固定残業代は、時間外労働の有無にかかわらず固定的に支給されるものとして説明されています。ただし、具体的な扱いは求人票や労働条件通知書で確認してください。
固定残業時間を超えた分は支払われますか?
求人票や労働条件通知書に、固定残業時間を超えた時間外労働などについて割増賃金を追加で支払う旨が書かれているか確認しましょう。
面接で固定残業代について聞いても大丈夫ですか?
大丈夫です。「入社後の働き方を具体的に知りたい」という聞き方にすると自然です。固定残業時間、平均残業時間、超過分の支給について確認するとよいでしょう。
求人票と内定後の条件が違う場合はどうすればいいですか?
すぐに承諾せず、労働条件通知書などの書面で確認しましょう。判断に迷う場合は、ハローワークや総合労働相談コーナーなどの公的窓口への相談も検討してください。
まとめ:求人票の固定残業代は内訳と超過分を確認しよう
この記事では、求人票の固定残業代について解説しました:
- 固定残業代は一定時間分の残業代をあらかじめ含める仕組み:それだけで悪い求人とは限りません。
「固定残業代あり」という表記だけで判断せず、内訳を見ることが大切です。
- 基本給・金額・時間数・超過分支給を確認する:月給総額だけを見ると、実際の賃金条件を誤解する可能性があります。
固定残業代を除いた基本給がいくらなのか、何時間分なのかを確認しましょう。
- 面接では働き方を知る質問として確認する:聞き方を工夫すれば、固定残業代について自然に確認できます。
平均残業時間や繁忙期の働き方もあわせて確認すると、入社後のギャップを減らしやすくなります。
- 不明瞭な場合は書面と記録を残す:求人票、面接時の説明、労働条件通知書、給与明細などを保存しておくと、相談時にも状況を整理しやすくなります。
固定残業代がある求人は、必ずしも避けるべき求人ではありません。大切なのは、求人票に書かれた条件を読み取り、自分が納得して応募・入社を判断できる状態にすることです。
不安な点が残る場合は、応募前や内定承諾前に確認し、必要に応じて公的相談窓口も活用しましょう。
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内訳
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 基本給 | 0万円 |
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