入社してまだ日が浅いのに「この職場は合わないかもしれない」と感じると、試用期間中に退職してもいいのか、次の転職で不利にならないか不安になりますよね。
- 試用期間中でも退職できるのか
- 辞める前に確認したい契約・手続き・相談先
- 履歴書や面接で短期離職をどう伝えるか
こんな方におすすめの記事です
- 入社後すぐに「仕事内容や職場が合わない」と感じている方
- 試用期間中に辞めると転職で不利になるのか不安な方
- 履歴書や面接で退職理由をどう説明すればよいか悩んでいる方
本記事では、試用期間中の退職について、辞める前の確認事項、転職活動での伝え方、履歴書・面接での注意点をわかりやすく解説します。(法律の細部は個別事情で変わるため、不安がある場合は公的窓口などでも確認してください)
試用期間中に退職してもいい?まず知るべき結論
結論からいうと、試用期間中でも退職は可能です。
ただし、試用期間は「お試しで働いているだけの期間」ではありません。入社時点で雇用契約は成立しているため、退職するときは契約内容や就業規則を確認し、できるだけトラブルにならない形で進めることが大切です。
特に、正社員のように期間の定めがない契約なのか、契約社員・アルバイトなどで期間の定めがある契約なのかによって、確認すべきポイントが変わります。
⚠️ 「試用期間だから自由に即日退職できる」とは限りません
試用期間中でも雇用契約は成立しています。無期契約・有期契約・就業規則・会社との合意などによって扱いが変わるため、勢いだけで退職を伝える前に、契約書や労働条件通知書を確認しましょう。
試用期間中でも雇用契約は成立している
試用期間とは、会社が労働者の適性や勤務態度などを確認するために設ける期間です。厚生労働省の裁判例解説でも、試用期間は適性を評価・判断するための期間として扱われています。
詳しくは、厚生労働省の試用期間に関する裁判例解説でも確認できます。
つまり、試用期間中だからといって、会社に何も伝えず突然出社しなくてよいわけではありません。退職を考える場合も、通常の雇用契約と同じように、退職の意思表示や手続きが必要です。
無期契約なら退職申出から2週間が基本。ただし就業規則も確認する
期間の定めがない雇用契約の場合、民法では、解約の申入れから2週間を経過することで雇用契約が終了するとされています。条文はe-Gov法令検索の民法で確認できます。
ただし、会社の就業規則で「退職は1か月前までに申し出る」などの社内ルールが定められている場合もあります。法律上の原則と、円満退職のための実務上の手続きは分けて考える必要があります。
無用なトラブルを避けたい場合は、まず就業規則や雇用契約書を確認し、退職希望日をいつにするかを整理してから上司や人事に伝えましょう。
有期契約・アルバイト・契約社員は条件確認が必要
契約社員や一部のアルバイトのように、契約期間が決まっている場合は注意が必要です。有期労働契約では、契約期間の途中で一方的に辞めることについて、契約内容や事情によって判断が分かれることがあります。
厚生労働省は、労働契約の終了に関するルールを労働契約の終了に関するルールで案内しています。
有期契約の場合は、「契約期間」「途中退職の扱い」「退職申出の期限」「試用期間中の条件」を必ず確認しましょう。不安がある場合は、会社だけで判断せず、公的な相談窓口に確認することも選択肢です。
辞める前に確認したい契約・就業規則・相談先
試用期間中に辞めたいと感じたら、最初にやるべきことは「本当に辞めるかどうかを決めること」ではなく、今の契約内容と退職時の手続きを確認することです。
感情的に退職を伝えてしまうと、後から「退職日をどうするか」「給与はどうなるか」「次の転職でどう説明するか」で困ることがあります。
雇用契約書・労働条件通知書・求人票を見比べる
まずは、入社時にもらった雇用契約書や労働条件通知書を確認しましょう。求人票や面接時の説明と、実際の仕事内容・勤務地・勤務時間・給与条件が大きく違う場合は、退職判断の重要な材料になります。
労働条件については、使用者が労働契約締結時に賃金や労働時間などを明示する必要があります。厚生労働省の労働基準法に関するQ&Aでも、労働条件の明示について説明されています。
また、2024年4月からは労働条件明示のルールが変更され、就業場所・業務の変更範囲なども確認しやすくなっています。詳しくは厚生労働省の労働条件明示ルールの変更に関する案内を確認してください。
辞める前に確認したい書類
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
- 求人票や募集要項
- 就業規則
- 試用期間中の給与・待遇に関する説明資料
退職の申出期限と社内手続きを確認する
退職を進める前に、就業規則で退職の申出期限を確認しましょう。会社によっては「退職希望日の1か月前まで」などのルールが設けられていることがあります。
退職時には、退職届の提出、貸与品の返却、健康保険証の返却、最終給与の確認、業務の引き継ぎなどが必要になる場合があります。
退職後の保険・年金・税金などの手続きまで詳しく確認したい場合は、関連記事の退職届や保険・年金など退職手続き全体を確認したい方はこちらも参考にしてください。
労働条件の相違やハラスメントがある場合は公的窓口も使う
求人票や面接時の説明と実際の労働条件が大きく違う、退職を申し出たら強く引き止められた、ハラスメントがあるといった場合は、自分だけで抱え込まないことも大切です。
厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、解雇、雇止め、労働条件、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、労働問題に関する相談を受け付けています。
法的な細部は個別事情によって変わります。判断に迷う場合は、会社の説明だけで結論を出さず、公的な相談先にも確認すると安心です。
感情だけで決めないための退職前チェックリスト
試用期間中に「もう辞めたい」と感じたときほど、いったん理由を分解して考えることが大切です。
本当に続けにくい問題なのか、一時的な不安や慣れない環境によるものなのかを整理すると、退職する場合も、続ける場合も、次の行動を決めやすくなります。
辞める理由を「一時的な違和感」と「続けにくい問題」に分ける
入社直後は、誰でも多少の違和感を覚えやすい時期です。仕事内容を覚える負担、人間関係の緊張、社内ルールへの戸惑いなどは、時間とともに慣れることもあります。
一方で、労働条件が事前説明と大きく違う、健康に影響が出ている、ハラスメントがある、どうしても仕事内容が合わないといった場合は、早めに方向転換を考えた方がよいこともあります。
一時的な違和感の可能性があるもの
職場に慣れていない、業務を覚えるのが大変、周囲との距離感がつかめない、最初の数週間だけ緊張が強いなど。
続けにくい問題の可能性があるもの
労働条件が大きく違う、長時間労働が常態化している、心身に支障が出ている、ハラスメントがある、仕事内容が根本的に合わないなど。
次を決めてから辞めるべきか、先に辞めるべきか
可能であれば、次の転職先を決めてから退職する方が生活面では安定しやすいです。収入が途切れにくく、転職活動でも落ち着いて応募先を選びやすくなります。
ただし、心身の状態が悪化している場合や、出勤を続けること自体が難しい場合は、無理に在職しながら転職活動を続けることが正解とは限りません。
退職後に雇用保険の基本手当を受けられるかどうかは、被保険者期間や離職理由などによって変わります。制度の概要は厚生労働省の基本手当についてで確認できますが、具体的な受給可否はハローワークで確認しましょう。
辞める前チェックリスト
退職するかどうか迷っている段階でも、次の項目を確認しておくと判断しやすくなります。
試用期間中に辞める前のチェックリスト
- 雇用契約書・労働条件通知書・求人票を確認した
- 就業規則で退職申出の期限を確認した
- 辞めたい理由を「一時的な違和感」と「続けにくい問題」に分けた
- 生活費や次の収入までの見通しを確認した
- 履歴書・面接で退職理由を説明できる形に整理した
- 労働条件の相違やハラスメントがある場合、公的相談先を確認した
このチェックリストに多くの空欄がある場合は、まだ退職を伝える前に整理できることが残っています。反対に、確認したうえで「やはり続けるのは難しい」と感じるなら、次の行動に移る準備を始めましょう。
試用期間中の退職は転職で不利になる?履歴書の考え方
試用期間中の退職は、次の転職活動で質問される可能性があります。ただし、短期離職があるからといって、必ず不採用になるわけではありません。
大切なのは、退職した事実をどう説明し、次の職場選びにどう活かしているかです。
不利に見られる可能性はあるが、即不採用とは限らない
採用担当者は、短期離職がある応募者に対して「またすぐ辞めないか」「職場に合わない理由を本人が整理できているか」を確認したいと考えることがあります。
そのため、退職理由をあいまいにしたり、会社への不満だけを強く伝えたりすると、印象が悪くなる可能性があります。
一方で、退職理由が整理されていて、次の応募先で何を重視したいのかが明確であれば、短期離職の印象をやわらげやすくなります。
履歴書・職務経歴書では短期職歴をどう扱うか
試用期間中の職歴を履歴書に書くべきかは、雇用契約の有無や在籍期間、応募先の指定フォーマットなどによって判断が必要です。
一般的には、雇用契約が成立していた職歴をなかったことにするより、応募書類と面接で説明できるように整理する方が安全です。空白期間として見られた場合、面接で質問されることもあります。
ハローワークでは、履歴書・職務経歴書について、自分の経験や能力、強みを整理し、応募先企業に応じて作成することを案内しています。詳しくはハローワークインターネットサービスの履歴書・職務経歴書の書き方を確認してください。
第二新卒・3か月退職とは少し検索意図が違う
試用期間中の退職は、第二新卒の3か月退職と重なる部分もあります。ただし、本記事では年齢や新卒区分を限定せず、試用期間中に辞めるか迷っている人全般を対象にしています。
第二新卒として転職活動を考えている場合は、第二新卒で3か月前後の退職に悩んでいる方はこちらもあわせて確認すると、より自分の状況に近い判断材料を得やすくなります。
面接で試用期間中の退職理由をどう伝えるか
面接で試用期間中の退職について聞かれた場合は、言い訳のように長く話すより、事実、判断理由、次に活かすことを簡潔に伝えるのが基本です。
会社への不満をそのまま話すのではなく、次の職場でどう働きたいのかにつなげると、前向きな印象に整えやすくなります。
退職理由は「不満」ではなく「判断理由」として伝える
退職理由を伝えるときは、「職場が最悪だった」「人間関係が無理だった」といった感情的な表現は避けましょう。
たとえば、仕事内容が想定と違った場合でも、「聞いていた話と違ったので辞めました」だけでは他責に見えやすくなります。
代わりに、「入社後に担当業務の中心が想定と異なることが分かり、自分の経験を活かせる環境を改めて考え直した」というように、事実と今後の方向性をセットで伝えると整理された印象になります。
面接で使える伝え方例
以下は、面接で試用期間中の退職理由を聞かれたときの伝え方例です。自分の事情に合わせて、事実に反しない範囲で調整してください。
仕事内容のミスマッチ
「入社後、担当業務の中心が当初想定していた内容と異なることが分かりました。短期間での退職にはなりましたが、次は業務内容をより丁寧に確認し、自分の経験を活かせる環境で長く働きたいと考えています。」
労働条件の相違
「入社前に確認していた条件と、実際の勤務内容に違いがあり、今後の働き方を考え直しました。次の職場では、勤務条件や業務範囲を事前に確認したうえで、責任を持って働きたいと考えています。」
体調や家庭事情が関係する場合は、詳細を話しすぎる必要はありません。働くうえで支障がない範囲まで整理できていること、今後の働き方を現実的に考えていることを伝えましょう。
避けたい退職理由表現
面接では、事実であっても伝え方によって印象が大きく変わります。次のような表現は、できるだけ避けた方が無難です。
⚠️ 面接で避けたい表現
「なんとなく合わなかった」「上司が嫌だった」「会社が最悪だった」「思っていたより大変だった」「条件が違ったので辞めました」だけで終わる説明は、他責・準備不足・早期離職リスクとして受け取られる可能性があります。
退職理由の言い換えをさらに詳しく確認したい場合は、関連記事の退職理由の言い換え例をさらに確認するも参考にしてください。
次の職場で同じミスマッチを防ぐ確認ポイント
試用期間中に退職する場合、次の転職活動では「なぜ合わなかったのか」を整理し、同じミスマッチを防ぐことが大切です。
短期離職を単なる失敗として終わらせず、次の職場選びの判断材料に変えていきましょう。
応募前に確認したい労働条件と仕事内容
応募前には、求人票だけで判断せず、仕事内容・勤務地・勤務時間・試用期間中の条件を確認しましょう。
特に、2024年4月以降は募集時などに明示すべき労働条件の項目が追加されています。求人企業や職業紹介事業者などが募集を行う場合、業務内容や就業場所の変更範囲なども明示事項に含まれます。詳しくは厚生労働省の募集時等の労働条件明示に関する案内を確認してください。
応募前に確認したい項目
- 実際に担当する仕事内容
- 勤務地と転勤・異動の可能性
- 勤務時間、残業、休日
- 試用期間中の給与・待遇
- 教育体制や研修の有無
- 試用期間中の評価基準
面接で確認しておきたい質問例
次の職場で同じミスマッチを避けるには、面接での質問も重要です。条件を細かく詰めるというより、入社後の働き方を具体的にイメージできる質問を用意しておきましょう。
- 入社後、最初の1か月はどのような業務を担当しますか?
- 試用期間中は、どのような点を評価されますか?
- 配属後の教育やフォロー体制はどのようになっていますか?
- 求人票に記載されている業務以外を担当する可能性はありますか?
- 残業が発生しやすい時期や業務はありますか?
面接で質問することは、わがままではありません。入社後の認識違いを減らし、長く働ける職場かどうかを判断するための大切な確認です。
短期離職を繰り返さないための判断軸
次の転職先を選ぶときは、「絶対に譲れない条件」と「できれば希望したい条件」を分けておくと判断しやすくなります。
たとえば、勤務地や勤務時間は譲れないけれど、業界や職種は少し広げてもよいという人もいます。反対に、仕事内容を最優先にしたい人もいるでしょう。
重要なのは、前職を辞めた理由を次の職場選びに反映することです。退職理由と応募理由がつながっていれば、面接でも一貫性を出しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
試用期間中でも即日退職できますか?
会社との合意がある場合や、やむを得ない事情がある場合は、即日退職に近い形になることもあります。ただし、試用期間中でも雇用契約は成立しているため、自己判断だけで出社をやめるのは避け、契約形態・就業規則・会社との話し合いを確認しましょう。
試用期間中に辞めると履歴書に書かなくてもいいですか?
雇用契約が成立していた職歴は、基本的に応募書類で整理して伝える方が安全です。短期間だからといってなかったことにすると、空白期間や社会保険の履歴などから質問される可能性があります。迷う場合は、ハローワークなどで相談するのもよいでしょう。
試用期間中の退職は次の転職で不利ですか?
不利に見られる可能性はありますが、必ず不採用になるわけではありません。退職理由を整理し、次の職場で同じミスマッチを繰り返さないための対策を説明できれば、印象を整えやすくなります。
次の転職先を決めてから辞めた方がいいですか?
生活費や心身の状態によります。余力があるなら在職中に転職活動を進める方が安定しやすいです。ただし、健康面に支障が出ている場合や出勤を続けるのが難しい場合は、無理に在職を続ける前提にしない方がよいこともあります。
面接で「なぜ試用期間中に辞めたのですか?」と聞かれたら?
会社批判ではなく、事実、判断理由、次に活かすことを簡潔に伝えましょう。「合わなかった」だけで終わらせず、次の職場では何を確認し、どのように働きたいのかまで説明できると前向きな印象になります。
まとめ:試用期間中の退職は、辞める前の確認と次の伝え方が大切
この記事では、試用期間中の退職について、辞める前の確認事項と転職活動での伝え方を解説しました。
- 試用期間中でも退職は可能:ただし、雇用契約は成立しているため、契約形態や就業規則を確認する必要があります。
無期契約・有期契約・アルバイトなどで確認点が変わるため、まず書類を見直しましょう。
- 感情だけで即決しない:仕事内容、労働条件、人間関係、健康面、生活費、次の転職活動を分けて考えることが大切です。
辞めたい理由を整理すると、退職する場合も面接で説明しやすくなります。
- 履歴書・面接では一貫性を意識する:短期離職を隠すより、事実と今後の働き方を整理して伝える方が安全です。
退職理由は会社批判ではなく、次の職場選びに活かす判断理由として伝えましょう。
- 次の職場ではミスマッチ防止を重視する:仕事内容、労働条件、試用期間中の評価基準を事前に確認しましょう。
前職で合わなかった点を次の応募先選びに反映することで、短期離職の繰り返しを防ぎやすくなります。
試用期間中に辞めたいと感じること自体は、珍しいことではありません。ただし、退職は生活や次の転職活動にも関わる判断です。勢いだけで動くのではなく、契約・手続き・相談先・面接での伝え方を整理してから、一歩ずつ進めていきましょう。
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