退職後に職業訓練を調べていると、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の違いが分かりにくく感じることがあります。特に、失業保険を受けている人と、失業保険がない人では、最初に確認すべきポイントが変わります。
- 公共職業訓練と求職者支援訓練の基本的な違い
- 失業保険あり・なしで確認すべき制度の見方
- ハローワークで相談する前に整理しておきたい項目
こんな方におすすめの記事です
- 退職後に職業訓練を受けたいと考えている方
- 失業保険を受けながら訓練を受けられるか知りたい方
- 雇用保険がなくても訓練や給付金を利用できるか確認したい方
本記事では、公共職業訓練と求職者支援訓練の違いを、失業保険あり・なしの視点からわかりやすく整理します。(制度名に詳しくなくても大丈夫です!)
注:この記事では制度の全体像を整理しますが、受講できるかどうか、給付金の対象になるかどうかは個人の状況によって異なります。最終的な確認は、住所地を管轄するハローワークで行ってください。
公共職業訓練と求職者支援訓練の違いを先に整理
最初に押さえておきたいのは、公共職業訓練と求職者支援訓練は、どちらも再就職を目指す人のための職業訓練ですが、主な対象者や給付制度との関係が異なるという点です。
厚生労働省は、ハロートレーニングについて「ハローワークの求職者を対象に、職業相談等を通じて受講が必要である場合に、再就職の実現にあたって必要な訓練を実施している」と案内しています。詳しくは、厚生労働省のハロートレーニング公式ページで確認できます。
公共職業訓練は主に雇用保険を受給している人向け
公共職業訓練のうち、離職者向けの訓練は、主に雇用保険を受給している求職者を対象とした訓練です。ここでいう雇用保険の給付は、一般的に「失業保険」と呼ばれる基本手当を指すことが多いです。
受講料は無料とされていますが、テキスト代などは自己負担になる場合があります。また、訓練期間はコースによって異なり、短期のものから長めのものまであります。
求職者支援訓練は主に雇用保険を受給できない人向け
求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない求職者や、雇用保険の受給が終了した人などを対象とした訓練です。
たとえば、雇用保険に加入していなかった人、加入期間が足りず基本手当を受けられない人、基本手当の受給が終わったあとも再就職に向けて訓練が必要な人などが、確認すべき制度です。
どちらも「ハローワークで必要と認められること」が大切
公共職業訓練も求職者支援訓練も、単に「受けたい」と思えば必ず受講できる制度ではありません。ハローワークで職業相談を受け、再就職のために訓練が必要と判断されることが重要です。
⚠️ 制度名だけで決めないことが大切です
「失業保険があるから必ず公共職業訓練」「失業保険がないから必ず求職者支援訓練」とは限りません。受講できるコース、申し込み時期、給付状況、就職希望の内容によって確認すべきことが変わります。
失業保険を受けている人が確認したいポイント
現在、失業保険を受けている人は、まず公共職業訓練を中心に確認するのが基本です。ただし、受講できるかどうかは、ハローワークでの職業相談や給付状況によって判断されます。
失業保険を受けながら訓練を受講できる場合がある
ハローワークの職業相談の中で、再就職のために公共職業訓練等を受講することが必要と認められた場合、訓練の受講を「指示」されることがあります。
ハローワークインターネットサービスでは、受講指示がある場合、訓練期間中に所定給付日数が終了しても、訓練終了日まで基本手当が支給されるほか、受講手当や通所手当などが支給されると案内されています。詳しくは、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」を確認してください。
受講指示・給付日数・訓練開始時期を確認する
失業保険を受けながら職業訓練を考える場合、特に確認したいのは次の3点です。
失業保険を受給中の人が確認したいこと
- 自分の所定給付日数と支給残日数
- 希望する訓練コースの開始日と募集締切
- ハローワークで受講指示の対象になり得るかどうか
特に、訓練開始時期と失業保険の残日数は重要です。募集締切が近いコースを見つけても、相談や申し込み、選考に時間がかかる場合があります。
「失業保険ありなら必ず公共職業訓練」とは断定しない
公共職業訓練は主に雇用保険を受給している人向けとされていますが、すべての人が希望どおりに受講できるわけではありません。
希望する分野の訓練が近くで募集されていない場合や、募集時期が合わない場合もあります。また、ハローワークでの職業相談を通じて、別の求職活動や別の制度を案内される可能性もあります。
そのため、記事や検索結果だけで判断せず、早めにハローワークで相談することが大切です。
失業保険がない人が確認したい求職者支援訓練と給付金
失業保険がない人でも、職業訓練を受けられる可能性があります。そのときに確認したいのが、求職者支援訓練と職業訓練受講給付金です。
雇用保険を受給できない人でも無料訓練を受けられる可能性がある
求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない求職者を対象にした訓練です。受講料は無料とされていますが、テキスト代などは自己負担になる場合があります。
たとえば、パートやアルバイトなどで雇用保険に入っていなかった人、離職後に雇用保険の受給資格を満たしていない人、雇用保険の受給が終わった人などは、求職者支援訓練を確認する価値があります。
職業訓練受講給付金は要件を満たす場合に支給される
求職者支援制度では、一定の要件を満たす場合に、職業訓練受講給付金を受けられる可能性があります。厚生労働省は、職業訓練受講手当として月10万円、通所手当として月上限42,500円などを案内しています。
ただし、給付金には収入・世帯収入・資産・出席などの要件があります。詳しくは、厚生労働省「求職者支援制度のご案内」を確認してください。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 本人収入 | 月8万円以下などの要件があります |
| 世帯収入 | 世帯全体の収入要件があります |
| 世帯金融資産 | 世帯全体の金融資産要件があります |
| 出席要件 | 訓練への出席状況が支給に関係します |
| 職業相談 | 原則として月1回、ハローワークで職業相談を受けます |
給付金の条件は細かいため、「自分は対象になりそうか」を事前に決めつけず、ハローワークで確認するのが安全です。
求職者支援制度の詳しい条件は、関連記事の求職者支援制度の詳しい条件はこちらでも整理しています。
「失業保険なしなら必ず給付金がもらえる」わけではない
求職者支援訓練は、失業保険を受けられない人にとって大きな選択肢になります。ただし、失業保険がないことと、職業訓練受講給付金を受けられることは別です。
給付金は、本人収入、世帯収入、資産、出席状況などの要件を満たす場合に支給されます。反対に、給付金の対象外であっても、訓練そのものを受講できる可能性はあります。
⚠️ 「訓練を受けられる」と「給付金をもらえる」は分けて考えましょう
求職者支援訓練を受けられる可能性があることと、職業訓練受講給付金を受けられることは同じではありません。生活費の見通しも含めて、ハローワークで確認しておくことが大切です。
どちらを見るべきか迷ったときの比較表と判断基準
公共職業訓練と求職者支援訓練で迷ったときは、まず「雇用保険の受給状況」と「希望する訓練コース」の2つを軸に整理すると考えやすくなります。
公共職業訓練と求職者支援訓練の比較表
以下は、申し込み前に確認したい主な違いです。実際のコースや給付条件は地域・時期・個人の状況によって異なるため、最終確認はハローワークで行ってください。
| 項目 | 公共職業訓練 | 求職者支援訓練 |
|---|---|---|
| 主な対象者 | 主に雇用保険を受給している求職者 | 主に雇用保険を受給できない求職者 |
| 雇用保険との関係 | 基本手当を受けながら受講できる場合があります | 雇用保険を受給できない人向けの制度として案内されています |
| 給付金・手当 | 受講指示がある場合、基本手当、受講手当、通所手当などが関係します | 要件を満たす場合、職業訓練受講給付金の対象になる可能性があります |
| 受講料 | 無料。テキスト代などは自己負担の場合があります | 無料。テキスト代などは自己負担の場合があります |
| 相談先 | ハローワーク | ハローワーク |
| 申し込み前に確認すること | 給付日数、支給残日数、訓練開始日、受講指示の可能性 | 給付金要件、世帯収入、資産、出席要件、希望コース |
| 注意点 | 失業保険を受けていても、必ず希望コースを受講できるとは限りません | 失業保険がなくても、必ず給付金が支給されるとは限りません |
まずは「雇用保険の受給状況」と「学びたいコース」で絞る
制度を選ぶときは、給付金や手当だけでなく、学びたい内容も大切です。たとえば、事務、IT、介護、Web、簿記、医療事務など、地域や時期によって募集されるコースは変わります。
そのため、「自分はどちらの制度の対象か」だけでなく、「今募集されているコースの中に、自分の再就職に役立つものがあるか」も確認しましょう。
判断に迷う人はこの順番で確認する
どちらを見ればよいか迷う場合は、次の順番で整理すると、ハローワークで相談しやすくなります。
この順番で整理しておくと、「自分は何を聞けばいいのか」が明確になります。
申し込み前にハローワークで確認すること
職業訓練は、コースを見つけて終わりではありません。申し込みには募集期間や選考があり、給付金を希望する場合は支給要件の確認も必要です。
訓練コースはハローワークインターネットサービスで検索できる
ハローワークインターネットサービスでは、公共職業訓練や求職者支援訓練などのコースを検索できます。コース種別、エリア、募集期間、訓練期間、フリーワードなどで絞り込めます。
候補を探す場合は、ハローワークインターネットサービス「職業訓練検索・一覧」を確認してみましょう。
窓口では受講の必要性・給付金対象・申し込み期限を確認する
ハローワークで相談するときは、ただ「この訓練を受けたいです」と伝えるだけでなく、自分の状況を整理しておくと話が進みやすくなります。
ハローワークで確認したい項目
- 自分は公共職業訓練と求職者支援訓練のどちらを中心に確認すべきか
- 希望する訓練コースが再就職希望と合っているか
- 申し込み期限・選考日・訓練開始日
- 失業保険や職業訓練受講給付金との関係
- 受講中の求職活動や職業相談の流れ
給付金を希望する場合は、収入や世帯状況などの確認が必要になるため、必要書類も含めて窓口で確認しましょう。
募集終了直前では間に合わない場合がある
職業訓練には募集期間があります。気になるコースを見つけても、募集終了直前では相談や申し込みが間に合わないことがあります。
また、人気のある分野では選考がある場合もあります。迷っている段階でも、早めにハローワークで相談しておくと、次回募集や近い分野のコースも含めて確認しやすくなります。
関連制度やよくある勘違いに注意する
職業訓練を調べていると、失業保険、給付金、アルバイト、リスキリング補助金など、似た制度や関連情報が多く出てきます。ここでは、混同しやすいポイントを整理します。
訓練中のアルバイトは制度ごとに確認する
職業訓練中にアルバイトができるかどうかは、受けている制度や給付の種類によって確認ポイントが変わります。
雇用保険の基本手当を受けている場合は、働いた日や収入の申告が関係します。職業訓練受講給付金を受ける場合は、収入要件や出席要件にも注意が必要です。
詳しくは、関連記事の職業訓練中のアルバイト条件はこちらで確認してください。
自己都合退職の給付制限や教育訓練との関係も確認する
自己都合退職の場合、失業保険の給付開始時期や給付制限が気になる人も多いはずです。職業訓練を検討する場合も、離職理由や給付状況によって確認すべきことが変わります。
自己都合退職後の失業給付や教育訓練との関係は、関連記事の自己都合退職後の失業給付と教育訓練はこちらで詳しく整理しています。
リスキリング補助金や教育訓練給付金とは制度が違う
公共職業訓練や求職者支援訓練は、ハローワークでの職業相談や再就職支援と関係する制度です。一方で、リスキリング補助金や教育訓練給付金は、対象者や申請方法、給付の考え方が異なります。
名前が似ていても、使える場面や相談先が異なることがあります。複数の制度を比べるときは、「自分は離職中なのか」「雇用保険を受けているのか」「どの講座を受けたいのか」を分けて考えると整理しやすくなります。
⚠️ 制度を混同しないようにしましょう
職業訓練、求職者支援制度、教育訓練給付金、リスキリング補助金は、似た言葉でも対象者や申請先が異なります。記事だけで判断せず、公式情報とハローワークで確認してください。
よくある質問(FAQ)
公共職業訓練と求職者支援訓練はどちらが得ですか?
金額だけで判断するのはおすすめできません。雇用保険の受給状況、給付金の対象可否、希望する訓練コース、通学条件、再就職の方向性によって見るべき制度が変わります。まずは自分の雇用保険の状況を確認し、ハローワークで相談しましょう。
失業保険を受けている人は求職者支援訓練を受けられませんか?
求職者支援訓練は主に雇用保険を受給できない人向けとされていますが、個別の状況によって確認が必要です。失業保険を受給中の人は、まず公共職業訓練を中心に確認し、必要に応じてハローワークで相談してください。
失業保険がない人は職業訓練受講給付金を必ずもらえますか?
必ずもらえるわけではありません。職業訓練受講給付金には、本人収入、世帯収入、世帯の金融資産、出席状況などの要件があります。給付金を希望する場合は、厚生労働省の公式情報を確認したうえで、ハローワークで対象になるか相談してください。
職業訓練中にアルバイトはできますか?
できる場合はありますが、受けている制度や給付の種類によって申告方法や収入条件が変わります。雇用保険の基本手当を受けている場合と、職業訓練受講給付金を受ける場合では確認ポイントが異なるため、必ずハローワークで確認しましょう。
申し込み前に何を準備すればいいですか?
雇用保険の受給状況、希望する職種、候補の訓練コース、募集期間、生活費の見通しを整理しておくと相談しやすくなります。候補コースはハローワークインターネットサービスで検索し、最終的な申し込みや給付金の確認はハローワークで行いましょう。
まとめ:公共職業訓練と求職者支援訓練は失業保険の有無を目安に確認しよう
この記事では、公共職業訓練と求職者支援訓練の違いを、失業保険あり・なしの視点で整理しました。
- 公共職業訓練は主に雇用保険を受給している求職者向け:失業保険を受けながら訓練を受講できる場合があります。
ただし、受講指示や給付日数、訓練開始時期などの確認が必要です。
- 求職者支援訓練は主に雇用保険を受給できない求職者向け:失業保険がない人でも、無料訓練を受けられる可能性があります。
職業訓練受講給付金は、収入・世帯・資産・出席などの要件を満たす場合に支給されます。
- 制度名だけで決めず、ハローワークで相談することが大切:自分の状況や希望コースによって確認すべき制度が変わります。
まずは雇用保険の状況、希望する職種、候補コース、募集期間を整理して相談しましょう。
職業訓練は、退職後の不安を整理しながら、次の仕事に向けて準備するための選択肢です。迷ったときは一人で決めつけず、公式情報を確認しながら、早めにハローワークで相談してみてください。
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内訳
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